他の金融機関にはない審査面談。
日本政策金融公庫の独特な審査方法です。
公庫を何度も利用している人でも緊張すると言いますので、創業融資で初めて公庫を使う人はなおさらですよね。
面談経験者は、もっと準備しておけばよかった、あの質問にはこう答えたらよかった等何らかの後悔をしています。
審査担当者の意図するところがあらかじめわかっていたらどうでしょう?
面談で聞かれることがわかっていたらどうでしょう?
気持ち的にだいぶ楽になるでしょうし、事前の準備もできるでしょう。
審査担当者にいい印象を持ってもらい、審査をスムーズに進めてもらえるような後悔のない面談にする方法を探っていきましょう。
起業支援Bizの目次
政策金融公庫における審査面談の目的
公庫が面談をするのにはいくつかの理由があります。
その理由を知って、まずは気持ちの準備をしていきましょう。
⑴申込人の人間性を見る

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信用できる人柄か、嘘はついていないか、危ない性質を持っていないか等を言葉遣いや目線の動きで判断します。ここで引っかかるものがあれば融資の承認はほぼ不可能となります。
⑵創業計画書の記載内容を申込人に説明させる
事業を進めていく上で最も大事な事業計画が、申込人の言葉で説明できるかを見られます。
基本的に公庫の審査担当者は、外部のコンサルタントが作った資料を嫌います。
事業計画書・創業計画書を自分で作るのはなかなか大変なので、コンサルタントにお願いするのは仕方ないことだと思いますが、計画書の中身を全部説明できるようにしておかないと融資の承認は難しくなるでしょう。
⑶通帳の原本を確認する
公庫には預金機能がなく、口座の動きを把握することができません。自己資金や公共料金等の支払状況を確認する必要があります。通帳を偽造する輩もいるので、審査担当者が通帳の原本を手に取って本物かどうかを見極める必要もあることから、通帳の持参を指示されるのです。
⑷そもそも、一度も会わずに融資をすることができない
どこの金融機関でもそうですが、申込人の借入意思の確認が必須です。法人であれば代表者の保証意思の確認も必要となります。銀行などは契約のタイミングで意思確認をしますが、公庫では審査面談の際に行います。公庫の契約手続きは郵送が大半であり、契約時には担当者と会うこともないのです。
審査担当者が面談で知りたいこと
公庫が面談をする理由は上の通りですが、審査担当者が知りたいことは何だと思いますか?
人柄もそうですし、創業計画書の中身を自分の言葉で説明できるかもそうです。しかし、最も知りたいことは以下の二つなのです。
- 自己資金の蓄積過程
- 公共料金やローンなどの支払状況
自己資金の蓄積過程
自己資金については色々なコンサルタントが重要なポイントだと言っています。
創業資金全体の3割なくてはだめだ、とか、1割準備すればOKだとか。
割合に限って言えばケースバイケースですし、資金計画の見せ方によってどうとでもなります。
審査担当者が知りたいのは「見せ金」かそうじゃないかです。
「見せ金」というのは分かりやすく言うと、一時的に準備した資金で、事業には使われることのないお金です。面談の為にどこかから借りてきて、面談が終わったら返さなくちゃならないお金です。
公庫の創業融資の前提として、これまでコツコツがんばってきた人の創業を応援しましょう、みたいなものがあるので、このチェックは相当に厳しくなります。
なので通帳を持ってこさせて中身を確認するのです。
公共料金やローンなどの支払状況
融資というのは完済してもらって初めて成功するものです。
毎月決まった日に返済をしてもらわなくても失敗となります。
約束通りに返済をしてくれる人なのか、期日を守る几帳面な人なのかを確認する手段として、口座の引き落としの履歴を見ます。
と言っても、各引き落としが正常になされることが普通のことなので、普通の生活をしている人にとっては怖くも何ともないチェック項目だと思います。
もし、この引き落としや支払いが遅れがちであれば、申込みまでの数ヶ月分は期日通りか若干早めに払うことにしましょう。
その他にも気をつけたい点はあります。
時間厳守
面談に遅れて来るのはもってのほかですが、早く来すぎるのも迷惑です。
審査担当者は非常に忙しく、それこそ分刻みでスケジュールを組んでいます。
このスケジュール管理が崩されてしまうと担当者は不快になりますし、時間管理だけでなく期日管理もできない人間とされて、否決の方向に持っていかれてしまいます。
時間通りに面談が開始できる約束の2分前くらいに到着するのがちょうどいいと思われます。
清潔感のある服装
事業で成功している人達の格好は様々です。
ちょんまげであったり、タトゥーが入っていたり、アクセサリーをたくさん付けていたり。
昔ほど格好のことでとやかく言われる時代ではなくなっているので経営者はより自由になっています。
しかし、公庫の審査面談ではNGです。
心象でマイナスとなります。
コツコツがんばってきた人達は真面目である。
この認識は公庫職員のほぼ全てに当てはまると思われます。この期待に応えなくては審査はスムーズには進みません。
スーツを着て行く必要はありませんが、襟のあるシャツを着て清潔感のある格好をしていくことが、審査担当者からの心象をよくする手段となります。
創業計画書が完璧でその説明もしっかりできた、自己資金も問題なしとなっても心象が悪ければ否決となる可能性は残ってます。
『政策金融公庫の面談準備!面接時に気を付けること』のまとめ
否決となりそうな要因を潰していくことが融資承認の近道です。
断る理由を排除していけば承認の可能性は上がっていきます。
いろいろと書きましたが、上記の注意事項を念頭に置いて審査面談の準備をすることが大事です。
上手に面談をこなして、資金調達を成功させましょう。